投資を始めようとするとき、多くの人が迷うのが「FXと株、どちらを選ぶべきか」という点です。どちらもお金を増やすための投資手段ですが、仕組みやリスク、必要な知識が大きく異なります。ここでは初心者に向けて、FXと株の違いをわかりやすく整理していきます。
取引の対象が違う
株式投資は企業が発行する株を売買します。つまり、投資家はその企業の一部を所有する権利を持つことになります。一方でFXは外国為替証拠金取引と呼ばれ、世界中の通貨を売買するものです。株は企業の成長や業績に左右されますが、FXは国の経済状況や金利政策、国際情勢によって値動きが決まります。
市場の開いている時間が違う
株式市場は基本的に平日の9時から15時までなど、取引できる時間が限られています。日本株であれば東京証券取引所の時間内でしか売買できません。それに対してFXは平日24時間取引可能です。世界の市場が時差でつながっており、東京・ロンドン・ニューヨークと順に開いていくため、夜中でも取引ができます。サラリーマンや学生にとっては、仕事や学業の後に取引できるのが大きなメリットです。
レバレッジの仕組みが違う
株式投資でも信用取引という制度がありますが、一般的に株は現金で取引することが多いです。FXは「レバレッジ」という仕組みを使って、少額の証拠金で大きな取引ができます。日本では最大25倍まで認められており、例えば10万円の証拠金で最大250万円分の取引が可能です。利益を大きく狙える一方で、損失も同じだけ大きくなるため、初心者は特に注意が必要です。
手数料やコストが違う
株式投資では証券会社に支払う売買手数料があります。また、保有している間に配当金を受け取れることがあります。FXは基本的に手数料無料で、スプレッドと呼ばれる売値と買値の差が実質的なコストになります。さらにFXではスワップポイントと呼ばれる金利差の収益や支払いが発生する点も特徴です。
利益の出し方が違う
株は「安く買って高く売る」ことで利益を得るのが基本です。もちろん信用取引を使えば売りから入ることもできますが、初心者にとってはハードルが高いです。一方FXは「買い(ロング)」と「売り(ショート)」どちらからでも始められます。上がっても下がってもチャンスがあるのは、株にはない魅力です。
税制や必要資金も異なる
日本では株とFXの税制も異なります。株式投資の利益は20.315%の申告分離課税がかかり、損失は3年間繰り越せます。FXも同じく申告分離課税ですが、株の損益とは通算できない点に注意が必要です。また、必要資金については株は最低でも数万円〜数十万円が必要になることが多いのに対し、FXは数千円から始めることも可能です。
初心者にはどちらが向いているか?
「時間が限られているが少額から挑戦したい」人にはFXが向いています。夜に取引できることや、少額から始められる点が強みです。一方で「企業分析に興味があり、じっくり資産を増やしたい」人には株が合っています。どちらが正解ということはなく、自分のライフスタイルや性格に合わせて選ぶのがベストです。
まとめ
FXと株は同じ投資でも仕組みやリスクが大きく違います。株は企業に投資するイメージで、FXは通貨を交換して利益を狙う取引です。どちらも学ぶ価値がありますが、初心者が短期間で経験を積むならFXは魅力的な選択肢といえるでしょう。大切なのは「自分に合ったスタイルを見極めること」です。